生成AIの登場により描いたイラストをネット上に公開すると、AI学習に無断で使われてしまうリスクが付きまとうようになりました。
その対策として「ウォーターマークを入れる」、「透かしを入れる」、「AIの学習を阻害するノイズを付与する」やり方があります。
クリスタをお持ちの方は、イラストを書き出す時にこれらの方法でAI対策を付与することができます。

AI対策をしたい方は参考にしてください
クリスタでできるAI学習防止対策は2つ【効果あり】
クリスタでできるAI学習防止対策は2つあります。
- ウォーターマークを付与する
- ノイズパターンを付与する
どちらも一定の効果があります。
①ウォーターマークを付与する
AI学習防止にできる対策の一つ目は、イラストにウォーターマークを付けること。
コンテンツなどの著作権を保護するために使うもの。
所有者を明確にし、無断使用や盗用、改ざんなどの著作権侵害を防止します。
ウォーターマークを消したり切り取って見えなくしたり、AI学習・生成によってウォーターマークを剥がす行為もNGです。
NGどころかより悪質な行為とみなされます。
ウォーターマークが入ったイラストを学習させると、AIが出力したイラストにもウォーターマークが入ることが分かっているため、そういう意味でAI学習妨害に有効とされています。
②ノイズパターンを付与する
AI学習防止にできる対策の二つ目は、イラストにノイズパターンを付けること。
ノイズパターンがついた画像がAI生成に使われると、AIが生成する画像の品質を下げることができます。
Glaza(グレイズ)を使ってノイズを埋め込むことも可能ですが、出力に数時間かかることもあり現時点ではまだあまり実用的ではありません。



クリスタならウォーターマークにしろノイズにしろ簡単で早いです
クリスタをまだお持ちでない方はEXとPROの違いについて解説した記事を参考にどうぞ。
ちなみに漫画を描くならEX一択です。
【クリスタでAI学習対策①】ウォーターマークの付け方
クリスタでウォーターマークを付ける方法は2パターンあります。
やりやすい方法でやっていただければOKです。
①画像を統合して書き出す時にウォーターマークを付ける方法
まず、イラストに付けたいウォーターマークを自作するか、フリー素材を準備します。
今回の説明ではこちらを使います。
[フリー素材]ウォーターマーク(BOOTH)
こちらの素材に自分のアカウント名やハンドルネーム(ペンネーム)を追加して使いますので、ダウンロードしたら先に文字入れ加工しておいてください。
(今回の手順ではここは省いて説明しますが、言うまでもなく無断使用・AI学習禁止ですよ)
作ったorダウンロードした素材は、自分で分かるところに保存します。


- キャンバスにイラストを開いた状態で、メニューの「ファイル」をクリック
- 「画像を統合して書き出し」をクリック
- お好きな拡張子を選ぶ


- 「ウォーターマークを付与する」にチェックを入れる
- 「ウォーターマーク設定」ボタンを押す


- ウォーターマーク設定ウィンドウで「ファイル」ボタンを押す


- イラストに貼りたいウォーターマークを選択


- ウォーターマークの大きさ、不透明度、タイリングなどを調整し、「OK」ボタンを押す


- 書き出し設定ウィンドウに戻るので、「OK」ボタンを押す


- 書き出しプレビューウィンドウで「OK」を押す


ウォーターマーク入りの画像が書き出されました。
ウォーターマークは無断使用禁止、AI学習禁止の文字が日本語・英語の両方であるといいです。
BOOTHやクリスタの素材として配布されていますので、ありがたく使わせていただきましょう。
- [フリー素材]ウォーターマーク(BOOTH)
- サンプル透かし文字2(ASSETS)
- 万能ウォーターマーク(クリスタ特別仕様版) (万能ウォーターマーク(クリスタ特別仕様版))(ASSETS)
②アセット素材を使ってウォーターマークを付ける時のやり方
クリスタで配布されている素材を使う場合は、画像素材としてイラストの上に配置して使います。
具体的には下記の手順です。


まずはクリスタのASSETSで使いたい素材を探してきます。
説明ではドットなウォーターマークセット・Ver.2を使用します。
ダウンロードした画像素材を選択し、ウォーターマークを付けたいイラストのレイヤーの上にドラッグして配置します(下記画像)。




オブジェクトツールでウォーターマークの大きさを拡大縮小(回転)できますので、お好みに調整します。
(あまり縮小してしまうと文字が読めなくなるので注意。)
あとは書き出せばOKです。



アセット素材を検索する時は「ウォーターマーク」で検索すると出てきます
【クリスタでAI学習対策②】ノイズパターンの付け方
ノイズパターンの入れ方は、ウォーターマークを入れる手順と一緒です。
ただノイズパターンが使えるのはクリスタのVer.3.1~です。
2025年2月時点ですと、買い切り版の方はアップデートプランに入っていなければ最新でも「3.0.X」なのでノイズパターンはまだ使えません。
その場合は②素材を使ってノイズを入れる方法をご確認ください。
①【Ver.3.1.~】ノイズパターンを入れる方法
サブスク版やアップデートプランをご利用の方は、クリスタのバージョンが3.1以上であればクリスタの機能を使ってノイズパターンを入れられます。
手順はウォーターマークを入れるのとほぼ一緒です。
ウォーターマークをイラストに付ける手順を確認し、①~⑤をやって下記画面(ウォーターマーク設定)まで行ってください。


上記図は私のバージョンが3.0なので表示されていませんが、バージョン3.1~であればタイリングの下に「ノイズパターン」のチェックがあります。
「ノイズパターン」にチェックを入れて、ノイズの強度を調整して書き出せばOKです!
ノイズの強度が強くなればなるほど元絵の見栄えも悪くなってしまいますが、AI学習や生成を阻害することができます。
②【Ver.3.0以下】素材を使ってノイズを入れる方法
買い切り版などでクリスタのバージョンが3.0以下の方は、素材をダウンロードしてノイズをかけることができます。
↑上記素材をダウンロードします。
50クリッピー必要ですが、ログインボーナスが余っている方も多いのでは?
CLIPPY(クリッピー)をお持ちでない方は、クリスタのGOLD会員になると1,500クリッピーが即時貰えます。


ダウンロードした素材を選択し、フィルターをかけたいイラストのレイヤーの上にドラッグして配置します(下記画像)。




レイヤー不透明度、レイヤーモードをお好みに調整します(上記画像)。


あとは書き出して保存すればOKです。



素材を配布してくださった方に感謝感謝
【まとめ】クリスタを使えばAI学習対策も簡単にできる
以上、クリスタでAI学習対策をする方法でした。
ノイズパターンはVer.3.1.~でないとまだ使えませんので、私もまだ使うことができません。



Ver.4.0の買い切り版が出たらアップデート予定です
それまでは素材を使ってノイズを入れたり、ウォーターマークで対策していきます。
クリスタを使えば簡単なので、ご自分のイラストに対策してみてください。