同人誌の本文作成が終わった人にのみ書く・書かないを選ぶことができる「あとがき」。
どんなあとがきを書いたらいいのか困っているということは、本文を作り終えたということですよね?おめでとうございます!
昔はボリュームたっぷりで書かれていたあとがきですが、最近はそうでもなくむしろ書かない方も増えています。
目にする機会が減ったことで「そもそも書いた方がいいのか」、「書くとしても逆に何を書いたらいいの?」とちょっと悩んでしまいますよね。
結論、あとがきは奥付と違って必須ではないので書くか書かないかは作者の自由です。
苦手なら無理して書かなくていいですし、語りたいことがあれば作者の自由に書いていいのです。
とはいっても何を書くのがいいのかよく分からないという方は、本記事を参考にしてください。
同人誌のあとがきの書き方【例あり】
あとがきは本当に何を書いてもOKです。例えばこんな内容。
- 制作裏話
- キャラやカプに対する想い
- キャラ設定、初期設定資料
- 協力してくれた人への感謝
- 読者へのメッセージ
- 次回作の構想、参加イベントの宣伝
文章を書くことが苦手な場合や、書きたくない場合は無理に書かなくてOKです。
奥付のページに「読んでいただきありがとうございました」の一言を添えておくくらいでもいいのです。
①同人誌制作裏話
同人誌制作中の裏話は、例えば、
- 同人誌制作中に聴いていた音楽や動画
- 締め切りが短くて修羅場だった
- 本業が忙しくて原稿やる時間を捻出するために夕食はずっとレトルトだった
- クリスタでいい素材を見つけた
- 印刷所を変えてみた
- 制作中にあった私生活のこと
- 原稿を手伝ってくれた友人と原稿中に話していたこと
…みたいなことです。
昔はSNSがなかったので、あとがきに作者の近況が書かれていることも普通でした。

個人的にはこの内容が一番楽しいかも
②キャラやカプに対する想い
キャラやカプへの想いをあとがきで語っている方も多いです。
特に二次創作に多いでしょうか。
最近出たコミックスの内容、劇場版、アニメ、イベントなどあらゆることへの感想やカプ語り。



作者の妄想炸裂!という感じなので、狂ってたりして読んでてすごく楽しいんですよね!
③キャラ設定、初期設定資料
一次創作のあとがきに多いタイプ。
キャラの初期設定資料や細かい設定などを書く方もいます。
商業でも時々見かけます。
④協力してくれた人への感謝
原稿を手伝ってくれた友人への感謝を書かれている方もいらっしゃいます。
大手サークルの友人が大手サークルということもあるので、神同士の繋がりや交流の様子が知れたりして楽しいんですよね~。
⑤読者へのメッセージ
奥付にさらっと書かれる方が多いような気はしますが、あとがきに書かれている方もいます。
感想が欲しい方はここでアピールしておくといいかも。
⑥次回作の構想、参加イベントの宣伝
「次回こんなネタ描きたいと思ってて~出なかったらごめん」みたいなことを書いている方もいます。
次回参加予定のイベントが決まっている場合、そのお知らせをするのも◎。
同人誌のあとがきは昔は当たり前でした
昔、あとがきの冒頭の定番フレーズといえば「初めましての人は初めまして!そうでない人はこんにちは!」でした。



これを知っているかどうかで世代がバレますね
あとがきは本当に何を書いても良く、作家の人となりが分かったり本編の裏話が分かったりとあとがきを含めて一つと認識されていました。
同人誌の最後にはあとがきがある、これが本当に普通だったんですよ。
あとがきは印刷に必要なページ数をあわせる役割もあった
同人誌は印刷する時の関係で、4の倍数(もしくは2の倍数)のページ数にする必要があります。
本編できっちりページ数を合わせられればいいですが、難しいこともあります。
そういう時にページ数合わせで役に立つのがあとがきやキャラ紹介などの事務ページだったりします。



これは同人誌を実際に作ったことがないと分からない事情かも…
今は同人誌のダウンロード販売もあり、ダウンロード販売が主流ならページ数が奇数になろうが気にしなくていいのでこういうページ数あわせの感覚がないかもしれません。
私が同人誌を作った時もダウンロード販売予定だったのでページ数を気にしていなかったのですが、自分用に1冊刷りたいと思った時に初めてページ数をあわせることを意識してあとがきやらなんやらを差し込みましたw
同人誌のあとがきが廃れた背景は時代の変化か
今、同人誌のあとがきが廃れた背景はSNSの登場や金銭的なことが関係していると考えられます。
- あとがきの役割がSNSに移った
- 印刷の原価を下げるため
- 「あとがき=作家気取り」という声へのリスク回避で書かない説
①あとがきの役割がSNSに移った
昔の同人文化は同人誌のあとがきだけでなく、ペーパーでも色々と語る文化がありました。
- 同人ペーパーとは
-
チラシのように1枚のペラ紙や折りたたまれた折本の状態でサークルが無料配布するもの。
サークル情報、参加予定イベント、頒布物情報などの宣伝・交流目的がある。
内容や形式に決まりはなく、作者の自由に作ることができる。
昔はSNSがないのはもちろん、スマホもありませんでした。
個人サイトを持っているサークルも多かったので個人サイト上でお知らせを出しているサークルも多かったですが、PCを持っていない人もいましたし、SNSのような拡散力もなかったためイベントでペーパーを配布して宣伝・交流していました。
昔の本だと、それこそ夏冬のコミケでのみ、その作家さんと読者が接する機会であり、あとがきやペーパーで近況報告とか次回参加予定とかが多かったけど、今はその必要もあまりないからねぇ。
それが今はSNSで気軽に近況を伝えられるし、宣伝もできる時代になりました。
そのためわざわざあとがきやペーパーで近況報告をしたり、宣伝したりする必要がなくなり、徐々に廃れていったと考えられます。



古のオタクとしてはさみしい
②印刷の原価を下げるため
昔に比べて今は同人誌の印刷代・紙代が高くなっています。
そのためあとがきなどの事務ページを入れているとその分ページ数が増え、印刷料金が高くなってしまいます。
少しでも価格を抑えるためにあとがきのページを削るようになったようです。
③あとがき=作家気取りという恐ろしい声のリスク回避で書かない説もある
これを知ってびっくりしたのですが…あとがきを書くことを「作家気取り」と受け取る人がいるんですね…!?
あとがきもそうだけど、SNSで「あとがき欲しい」人より「何あとがきとか書いてんの? 作家気取りなの? くそが」っていう人の声の方が大きく聞こえてしまうもので、割とリスク回避で書かなくなる傾向がなくもないかなとかなんとか。俺は何書いていいのか分からないから書かないけど。
同人誌のあとがきというのは前述の通り、作家気取りでもなんでもなくそういう文化だった、もしくはページ数を埋める役割があっただけです。



マジでみんな当たり前に書いてましたよ!
それに同人誌のあとがきを楽しみにしている人も多いです。
同人誌読む側としては、まえがきとかあとがきとか、ページがあまっちゃったから落書きとか、作品語りとか、そういうのもすごい好きだけどなあ
同人誌のあとがきの良いところは、作家と作品と読者が一直線に繋がってることで、これは商業誌の方が尚更かとは思う。それでもtwitterなどで胡乱になりがちな部分が整理されるので、あとがきは書く側としても読む側としても、好き。
それに同人誌は自分の好きに作っていい物です。その権化です。
あとがきなんて自分語りをしてナンボです!!!むしろそれが書く方も読むほうも楽しいのですよ。
あとがきを書きたければ書き、書きたくなければ書かない、それでいいと思います。



私はあとがき読みたい人です!!!
【まとめ】あとがきは好きに書いていい!
同人誌のあとがきは書いてもいいし、書かなくてもいいです。
自分語りになってナンボです!書きたいことを自由に書きましょう。
SNSで言った内容と被っても全然いいと思いますよ。
むしろSNSの内容をまとめて掲載してもいいんじゃないでしょうか?
SNSは流れていきますが、あとがきにまとめることであとから見返しやすくなりいい思い出になるかもしれません。



私はあとがき読みたい人なので、ぜひ書いて欲しいです
あとがきは書かなくてもいいですが、奥付は責任の所在を明確にするために必須です。
奥付はどう書いたらいいのかは「同人誌の奥付は何を書けばいい?」を参考にしてください。