2024年5月に発売したiPad Air(M2)第6世代、13インチをしばらく使ってみたのでレビューします。
使用目的はお絵描き。メインは液タブなので、サブ機としてイラストを描くためにAirを購入しました。
- ProじゃなくてAirでも大丈夫?
- 11インチと13インチどっちがいい?
- ストレージ容量はどれくらいがいいの?
などなど色々疑問があるかと思います。
私も買う前は上記でとっても悩みました
私は13インチ・ストレージ128GB・Wi-Fiモデルに加えてApple Pencil Proを購入したのですが、満足しています。
本記事ではiPad Airでお絵描きする目線でレビューしていますので、買うか迷っている方はぜひ参考にしてください。
私が購入したiPad Airのスペック
機種 | iPad Air M2(第6世代) |
---|---|
サイズ | 13インチ |
メモリ | 8G |
ストレージ | 128GB |
スタイル | Wi-Fi |
カラー | パープル |
【レビュー】iPad Air M2 13インチはイラスト制作に十分な性能
2024年5月に発売したiPad Air M2(第6世代)モデルですが、イラストや漫画を描くには十分な性能です。
趣味で絵や漫画を描いているなら間違いなく十分です。プロの方はサブ機など使い方次第という感じ。
私が購入前に気になっていたことについて、買った後どうだったかを中心にレビューします。
①お絵描きするなら13インチがおすすめ
お絵描きするならやはり11インチよりも13インチがおすすめです。
やっぱり画面は大きいに越したことはないです。
13インチのサイズ感ですが、A4サイズと比べると縦が1~2cm小さく、横は同じくらい。
液晶部分はもう少し小さくなり、B5サイズのルーズリーフを重ねてみたらぴったりでした。
私はアナログで絵を描くときにA4のコピー用紙を使うことが多いので、B5だと正直少し小さく感じたものの慣れの問題。
お絵描きソフトで絵を描く時は左右にツールバーがある関係上、実際の描写域は横幅が1~2cm狭くなります。
それでもそこまで狭いと感じなかったので、価格にビビって11インチにしなくて正解でした。絵を描くなら大きさには真っ先に投資したいところですね。
とはいえ、私は持ち運ばない前提です。
外で作業する方は大きさと軽さどちらを取るかですね…
13インチは2732×2048ピクセル、264ppiという高い解像度。
P3色域で広くカバーしています。彩度が高く鮮やかな色合いがキレイです。
ペーパーライクフィルムを貼ると色味は全体的に白っぽくなってしまいますが、気になる方は着脱式のペーパーライクフィルムを使えば解決します。
電子書籍を読むにも最適
13インチという大きさは電子書籍を読むのにも最適です。
13インチは週刊少年ジャンプの見開きよりは二回りほど小さく、コミックス単行本見開きよりは二回り大きいサイズ。
ジャンプより小さいとはいえ単行本より大きいので、電子書籍を読むには十分な大きさです。
PC+液タブで作業される方は、作画用の資料を表示するサブディスプレイとしても優秀です。
②ストレージは最小の128GBで大丈夫
お絵描き目的でiPadを買う時、ストレージ容量をどれくらいにするかも気になりますよね。
私はiPad Airの最低容量である128GBで購入しました。
下記のストレージ内訳はiPad Air購入後に不要なアプリを削除し、お絵描きソフトなどを入れたあとです。
アプリよりもOSやシステムデータで結構容量を取られていますね。
- Adobe Fresco 無料版(1.18GB)
- Clip Studio(549.6MB)
- Googleフォト(386MG)
- YouTube(306.7MB)
- chrome(249.6MB)
- ibis Paint X 無料版(244MB)
128GBのうち約20GBは購入時すでに埋まっていると考えた場合、自由に使えるのは残り約108GB。
どれくらいイラストを保存できるかというと…108GB÷50MB=2160枚。
十分すぎる!
計算条件は下記。一番描くことが多いフルカラー1枚絵で計算してみました。
- 平均ファイルサイズ50MB(クリスタ)
- A4サイズ
- フルカラー1枚絵
- 解像度300~350dpi
- レイヤー数50枚~100枚
- アニメ塗りや厚塗りが多い
私は絵を描く以外には電子書籍を読んだり、動画を試聴するのがiPad Airの主な利用方法。
電子書籍も動画もストリーミング再生するので本体に保存することはありません。もし保存したとしても見終わったら削除すればいいだけです。
なので108GBの容量をイラストだけで使うことになり、5年は問題なく使えそうです。なんなら結構容量が余る気すらします。
万が一不足してきたとしても、私はPCや外付けHDDにデータを移せるので問題ありません
逆にアニメーション制作をされる方や、PCを持っていない方はもう少し容量を確保した方が安心だと思います。
最低256GBにするか、128GBで買ってのちのち外付けSSDを視野に入れるとよろしいかと思います。
私のようにイラストや漫画がメインの方や、いざとなったらデータを移動させられる方は128GBで大丈夫ですよ。
自分の絵のデータのファイルサイズの平均を出して計算してみよう
③Proじゃなくても十分な性能
2024年に発売されたiPad Airは、2022年に発売された1世代前のiPad Proと同程度の性能を持っています。
下記はiPad Air M2(2024年発売)と、iPad Pro(2022年発売)を比較した表です。
iPad Air M2 (第6世代) | iPad Pro 12.9インチ (第6世代) | |
---|---|---|
チップ | M2 | M2 |
CPU | 高性能コア×4 高効率コア×4 | 高性能コア×4 高効率コア×4 |
GPU | 9コア | 10コア |
メモリ | 8GB | ①8GB ②16GB |
ニューラルエンジン | 16コア | 16コア |
ストレージ | 128GB~1TB | ①128GB~512GB ②1TB~2TB |
ディスプレイ | Liquid Retina ディスプレイ | Liquid Retina XDR ディスプレイ |
厚さ | 6.1mm | 6.4mm |
重さ(Wi-Fiモデル) | 617g | 682g |
発売年 | 2024年 | 2022年 |
実質iPad Proでは…???
M2のiPad Proを使っている方にお話を聞くと、ラフ~仕上げまでガッツリ使っても動作が重くなることはめったになくアプリが勝手に落ちることもないそう。
今やM2のProは1世代前の機種になったとはいえ、Proですもんね…。
iPad Air M2(第6世代)はそんなProとほぼ同スペック。実質Proと言っても本当に差し支えないですよね(カメラやFace IDなどの違いはありますが)。
iPadで絵を描きたいと思っている方の中には、iPad Proが欲しいけどその価格の高さに手が出せなかったという方も少なくないと思います。
そんな方にぴったりなのが、まさにiPad Air M2(第6世代)モデルですね。
私自身も似たような感じで、iPadだと性能が物足りないし、iPad Proだとオーバースペック気味な気もするし高い、そう思っていました。
そんな趣味絵描きの私にとって今回のiPad Airはすごくちょうど良かったです。
すでにゴリゴリにプロとして活動されている方であればProの方がいいと思いますが、ほとんどの絵描きさんにとってはiPad Airが過不足にならないちょうどいいスペックではないでしょうか。
中級者の方はもちろん、初心者の方もお絵描きソフトが快適に動くスペックと言えます
私は今のところ1枚絵イラストのラフや漫画のプロット、ネーム作業にiPad Airを使用しています。
ペン入れやカラーなど本腰を入れる作業はPC+液タブがあるので、そちらにデータを移して作業しています。
④視差は気にならないが、遅延は慣れ
iPad Air M2(第6世代)は絵や文字を書いている時の視差は気になりませんでした。
ガラスの隔たりなく、そのまま直接描いている感覚が得られます。
しかし、ペン先を早く動かした時や一部の重たいブラシを使った時に若干の遅延を感じます。
といってもこれは致命的な遅延ではないので、慣れます。
私は低スペックPCでお絵描きしていた経験もあり、ペン先の遅延には慣れていたので「こんなもんだよね」とあまり気になりません。
ですが、遅延がどうしても気になる方はiPad Proの方が良いと思います。
iPad ProはProMotionが使われており、画面のリフレッシュレートが10~120Hzまで可変します。これによりスムーズな描写ができるようになっています。
iPad Airはリフレッシュレートが60Hzで固定のため、iPad Proに比べると滑らかさに欠けます。
- ディスプレイが1秒間に画面を書き換えられる回数を表す数値
- 一般的には30~60Hz。TVは60Hz。
- 動きの速いゲームやスポーツを楽しみたい場合、60Hz以上が推奨される
この辺りはどうしても気になる人は気になるでしょうし、慣れる人は慣れます。
私個人としてはあまり気にしていませんが、このあたりも加味してiPad AirがいいかiPad Proがいいかをご検討ください。
⑤一部のお絵描きアプリを使うと本体が熱くなる
iPad Airでお絵描きしていて気になった点は、一部のお絵描きアプリを使うと本体が少し熱くなること。
アプリ | 本体の熱 |
---|---|
クリスタ | 少し感じる |
アイビスペイントX(無料) | 感じない |
Adobe Fresco | 感じない |
今のところ熱暴走で処理落ちとかはしていませんが、さすがに古くなってきたらどうなるかなという感じはしますね。まあ古くなって処理落ちするようなら寿命でしょうし、買い替えですね。
AirじゃなくてiPad Proなら本体が熱くならないのかと言われると、比較できないので分かりませんが…。
熱くなるとはいっても心配になるような熱さではないですよ
⑥Apple Pencil Proも一緒に買うことを推奨
iPad Airで絵を描く際に必要なのがペンですが、できればApple Pencil Proも一緒に買うことを推奨します。
iPad Air M2対応のペンは2種類あるのですが、Apple Pencil(USB-C)は筆圧検知非対応です。
- Apple Pencil Pro
- Apple Pencil(USB-C)
買うならApple Pencil Pro一択です。
Apple Pencil Proは搭載されているセンサーが増え、できる操作が増えています。
- スクイーズ
- 指でグッとペンを抑えると、パレットを手元に表示してツールを切り替えられる
- ジャイロセンサー
- ペン先を回転して描ける
- 「探す」に対応
- ペンが迷子になた時、本体から探せる
個人的にスクイーズが便利です!
画面脇にあるパレットまでペン先を運ばずとも手元でツールを切り替えられるので楽です。
まだクリスタなどのお絵描きアプリ側でスクイーズなどに対応していないのですが、Apple純正のメモ帳アプリとかを使う時すごい便利です。
ペンと消しゴムの切り替えや、ペン先の太さの切り替えがめっちゃ楽~
【まとめ】iPad Air M2 13インチは多くの絵描きさんにおすすめできる
iPad Air M2(第6世代)は2022年発売のiPad Proとほぼ同程度の性能を持っています。
iPadだとスペック不足や視差が気になりやすく、かといってProだとほとんどの方にはオーバースペックになりがち。
iPad Air M2はまさにその中間なので、ほとんどの方にとってちょうどいいモデルです。
- これからデジ絵を始めたいお絵描き初心者さんにも快適
- 中級者には過不足なくラフから仕上げまで1台で済ませられる
- プロの方はサブ機として使用するなど使い方次第ではおすすめ
iPad Airでお絵描き以外にやりたいことがある場合は、それも踏まえて容量などご検討ください。