ゼルダの伝説シリーズ初心者が、ゼルダの伝説「ティアーズオブザキングダム」(ティアキン)をクリアしたレビューです。
ゲーム要素には触れていますが、ストーリーのネタバレはないので安心してください。
どんなゲームでもそうですが、プレイヤーの好みにより評価は分かれます。はっきり言ってしまえばブレワイもティアキンも、どちらかといえばそこまで私好みのゲームではありません。
しかし、それでもそれなりに楽しめました。私の好みド真ん中でないだけで、ゲームとしては大変すばらしいものでした。
前作ブレワイに引き続き、ティアキンも新たなゲーム体験をさせてくれるゲームであることは間違いありません!
世界中で高く評価されてるだけあります
ティアーズオブザキングダムの概要
ティアキンはブレワイの続編
ティアキン(ティアーズオブザキングダム)は、前作ブレワイ(ブレスオブザワイルド)の続編です。
ストーリー的には前作ブレワイで厄災ガノンを討伐したあとから始まり、前作ブレワイに登場したキャラ達も成長した姿で再び登場します。
ティアキンで空と地下のマップが追加されたものの、地上マップは基本的には前作ブレワイと同じものです。
前作のブレワイを遊んでいなくても楽しめるゲームにはなっていますが、基本的には前作のブレワイを遊んでからティアキンをプレイした方が楽しめるでしょう。
私はティアキン発売前に駆け込みでブレワイを遊んだのですが、やっておいて良かったと思いました!
ティアキンとブレワイ、どっちからやるべきか詳しくはこちらで記事にしています。片方だけやるか、両方やるか迷っている方も参考にしてください。
ティアキンも前作ブレワイに引き続き、世界中で高い評価を得ています。
前作が高く評価されたのでそれを上回るゲームを作るのは難しいのではと思いましたが、いとも簡単に(?)上回ってきた点はさすがとしか言いようがありません。
ゼルダの伝説シリーズ初心者がティアキンをプレイした感想
前作ブレワイよりも自由度が高く、発想次第でいかようにも楽しめる
ティアキンは前作のブレワイ以上に自由度が高いゲームでした。
- ストーリー攻略順が自由
- A、B、Cどの方法で攻略するか、あらゆる手段がある
- 目に見えるもの全て登ったりできる
ブレワイの時点でこれだけ自由度が高かったのですが、ティアキンでは「スクラビルド」というDIYの要素が加わったことで更に自由度が高くなっています。
極端な話、「ブレワイはティアキンをやるためのチュートリアルだった…?」と感じる程。前作を下敷きに、システムを変えて正統進化したのがティアキンです。
例えば目の前に川があって向こう岸に行きたい状況があったとします。その時の手段は下記が考えられます。
- 泳いで渡る
- 迂回して橋などを渡る
- 近くの高い所に登る→パラセールで向こう岸へ滑空する
- 上昇気流を起こす→パラセールで飛び上がり、向こう岸へ飛ぶ
- 近くに生えている木を切り倒して丸太を確保→丸太からイカダを作る→イカダに帆をつけてうちわであおいで向こう岸へ渡る
- 近くに生えている木を切り倒して丸太を確保→丸太からイカダを作る→ゾナウギアで扇風機や操縦桿をつけて操縦して向こう岸へ渡る
一般的なゲームだったら泳いで渡るか、橋を渡るしかないかもしれません。なんなら川には入れないのも普通かもしれませんね。
前作ブレワイでは①~④が主な川の渡り方でした。
この時点で、ただ川を渡るだけなのに「プレーヤーの自由な発想で好きなように渡ることが可能」なのがお分かり頂けると思います。
ブレワイの時点でこれだけ高かった攻略自由度ですが、ティアキンでは更に「ウルトラハンド」や「スクラビルド」を使って⑤⑥の方法でも川を渡れるようになりました。
前作よりも自由度が高くなるとはびっくり!
もしかしたら、私が知らないだけで他にも方法があるかもしれません。いや、きっとある。
発想力次第でなんでもできてしまうのがティアキンのすごいところです。(プレーヤーの思考を先回りして、やれないことがないようにしている任天堂もすごい。)
私はこういう要素は「これ使えば攻略できるよ」と分かりやすく用意されている、正攻法だと思われる方法でサクサクと進めてきました。
私はゲームはストーリーを楽しみたいタイプで、謎解き、DIY、ギミック解きといった要素は苦手としています。ちょっと考えて分からない時はすぐ攻略サイトを見てしまうタイプです。
自力で解けた時の快感より、先に進めないストレスが大きいので…
でもですよ。
ティアキンはこんなふうにパズル要素をすぐ攻略に頼ってしまう私でも楽しめちゃうゲームです!それがスゴイ。
言うまでもないですが、謎解きやパズル要素が好きな人はもっと楽しめるでしょう。
前作ブレワイよりやりこみ要素が増えて、ボリュームがえげつない
前作のブレワイもやりこみ要素がふんだんにありましたが、ティアキンでは下記の要素が追加されて更にやりこみ要素が増えています。
- DIY要素(ウルトラハンド、スクラビルド)
- マップ拡充(空と地下が追加)
- 畑
私が知らないだけで、もっとあるかもしれない…
DIY要素が自由度を更に高くしている
DIY要素は先に書いた例の通りです。川を飛び越えて向こう岸に行きたい時であっても、答えが一つでないので様々な方法で攻略が可能です。
これだけでなく、「ゾナウギア」というアイテムが更に自由度を高くしています。
ゾナウギアのパーツをウルトラハンドで組み合わせていくと気球や車などを作ることができるのですが、何を作るかは完全にプレーヤーの発想次第!
「他にどんな方法で攻略できるんだろう」、「コレとコレを組み合わせたらどうなるかな?」と考えることが好きな人にはたまらないのではないでしょうか?
私は残念ながら苦手なのでYouTubeで色々検証している方の動画を見て楽しませてもらいましたが、発想力のある方ほんとうにスゴイ。
ティアキンを楽しみつくしてるなーと思いました
そしてスクラビルドですが、実は武器や防具にも使うことができます。
- 矢に「キースの目玉」を付け、敵を自動で追尾して撃ち落とす。または「火炎の実」を付けて飛ばし、ツタや敵を焼き払う
- 盾にロケットをくっつけて高く飛び上がる。または「バクダン花」をつけてガードした時に敵が爆発するようにする
- 武器に石をくっつけてオノにする、攻撃力特化する、属性攻撃用の武器を作る
武器や防具とアイテムの組み合わせがたくさんあるので、「これをくっつけたらどうなるんだろう」と色々試すのが楽しかったです!
私はアクションが苦手なので、敵を自動追尾してくれるキースの目玉付き矢や、バクダン花を付けて遠くの敵をまとめてふっとばせるのは凄く助かりました…!
ブレワイの時もそうでしたが、アクションが苦手でも工夫次第で難易度を下げられるようなゲームバランスが考えられています。
ティアキンの方がより自分のプレイスタイルに合わせてできることが増えた感じです。
ガードが苦手なら防具を強化すれば打たれ強くなるし、ハート(HP)を増やせばゲームオーバーになりにくくなるし…救済措置もバッチリです
今作はマイホームもDIYだそうで…!
私はマイホーム購入はしていないので詳細は不明なんですが、自分でユニットを組み立てて自由に間取りを決められる模様。
イチカラ村という所に畑も持てるので、ブレワイで「この要素あったら良かったのにー」と感じたものは抜かりなくティアキンで追加されていると感じました。
地上だけでなく空と地下も探索できる、前作よりも広大なマップがスゴイ
ティアキンでは前作のブレワイよりマップが増え、空と地下に行けるようになっています。
ブレワイでは地上だけでもかなりボリュームがあったので、「更に行ける所が増えるってどういうこと…!!?」とびっくりしました。
しかも空から地上、地上から地下はシームレスなんですよ。ロードを挟まないってどういうこと…!(※ワープ使用時はロードを挟みますが、歩いて移動する分にはマジでシームレスです)
空は行ける範囲が少な目ですが、地下は地上と同じだけ行けます。ブレワイと比べると体感2.5倍くらいマップがボリュームアップしているように感じますね~。
switchの容量なめてました
マップもただ追加されているだけでなく、メインストーリーやクエストと関連しています。
とはいっても全てが絡んでいるわけではないので、ストーリーに関係ない部分はやりたくなければやらずにクリアできます。
というかそもそも、ゲーム開始してすぐにラスボスに突撃することも可能なゲームです。
自由度高すぎ
私的には空も地下も、
- ストーリー上必ず訪れなければいけない所
- やりこみ要素として行きたい人は行けばいい所
のバランスがちょうどいいように感じました。
ティアキンはマップが増えた分やできることが増えた分、本当にボリュームがえぐいんですよ。
ゲームボリュームがあると、人によっては集中力が切れてクリアまでに放置してしまうリスクもありますよね。実は私は一つのゲームを長期的にやっていると飽きてしまうタイプなので、短期集中で一気に終わらせたいと思っています。
でも、私のように一つのゲームを長期的にコツコツやりこむタイプでなくても飽きずにクリアまで行けるよう、しっかりとバランスが計算されていると感じました。
やり込みたい人はやればいいし、ストーリーだけ追いたい人はそうすればいいようになってる…!
本当に自由なんだな…!
ブレワイにもあったやり込み要素も健在
その他、ブレワイから引き続き寄り道要素であるクエストも豊富です。
ブレワイもティアキンも、「●●がいくつ欲しい」のようないわゆる「おつかい系」のクエストが少ないです。
クエストをやることで世界観を知ることができるようなものであったり、ちょっとしたストーリー要素がある傾向です。
なので苦痛になりにくく、ついつい気になってメインストーリーそっちのけで寄り道してしまうんですよね~。
ただ本当にクエストの数が本当に多いので、全部やろうとするとクリアまで数か月かかると思います。(特にコログ探しや祠をコンプしようとすると大変!)
ティアキンもやりこもうと思えばいくらでもやりこめちゃいます!
ティアキンも前作に引き続きストーリーも感動!
やりこみ要素や自由度がすごいんだよという話を主にしてきましたが、ストーリーもとても良かったです。
ネタバレにならないように差し支えない範囲で言いますと、ラスボスを倒すまでの柱となっているメインストーリーがとても感動的でした。
泣いてしまいました…!
ゼルダは前作のブレワイから試練続きで、気の毒になるくらい…。
ゼルダは他の作品でもいつもこんなに大変でツライ役回りなのでしょうか…!(私はゼルダの伝説シリーズは前作のブレワイが初めてで、ティアキンは2作目のシリーズ初心者です。)
メインストーリーを彩る、各地で発生する独立したストーリーも必見です。
前作ブレワイに出てきた人物と再会することができて胸アツですし、キャラもそれぞれ魅力的でたまりません。
ティアキンはゲームを開始したら即ラスボスに挑むこともできちゃう作品ですが、ぜひぜひ誘導されている通りにストーリーを追って楽しんで欲しいと思います。ゲームプレイにおいてストーリー重視の人は特に。
ただ一つ気になったのは…「地上絵にある龍の泪(なみだ)を探す」イベントが、見つけた場所によって見られるストーリーが決まっていること。
最悪、一番最初に見つけた所で一番最後のストーリーが流れてしまってネタバレを食らってしまうことが起こり得るんですよね。
見つけた個数に応じて順番にストーリーを流してくれればネタバレを回避できたと思うので、どうにかならなかったのかなと思いました。
順番にストーリーを追いたい方は、龍の泪イベントは攻略サイトで順番を確認されることを推奨します。
私はそうしました!
ブレワイとティアキンのストーリー、どちらの方が感動した?
これは人によると思いますが、個人的にはティアキンのストーリーの方が感動しました。
ただゼルダの伝説シリーズをずっと遊んでいる方の意見では、ブレワイの方が感動したという意見が多いように見受けられました。(私はブレワイが初めてのゼルダです)
ブレワイの時は、ゼルダとリンクの関係に「えっ、あっ、二人の関係ってこうなんや…」と戸惑ったのです。
ティアキンではそれがなくなり、初めから「ゼルダ助けるぞー!」という気持ちになりやすかったのが大きいのかもしれません。
(ストーリーのネタバレを避けたので、ふんわりとしたことしか書けず。)
ティアキンではブレワイの時に感じた不満点が解消されていた!
前作ブレワイで感じた不満点が、ティアキンでは少し解消されていました。
ブレワイでの不満点は主に、ルピー(お金)が入手しづらいこと!
ルピーがないとメインストーリーの攻略に必要な防具が買えないだけでなく、色んな場面で困ります。そのため果物や肉などを狩って料理して売る、鉱石を取ってきて売るなどの金策が必須でした。
ルピー不足によるストレスを感じやすかったブレワイですが、ティアキンでは少し緩和されてストーリーを追うだけなら楽になっていました。
- 一部のサブクエストを行うとルピーが貰える
- メインストーリー攻略に必要な防具の数が減った
ブレワイの時はサブクエをやっても、ルピーがほんっっっと貰えなかったんですよね。
(正確には一部報酬がルピーのものもありましたが、他のゲームに比べるとブレワイは報酬にお金が貰えないゲームです。)
それがティアキンではルピーが報酬として貰えるサブクエが増え、すっごく助かりました…!ルピー欲しさにサブクエをこなすやる気も出るので、良かったなーと思います。
ただその代わり、料理の売値が下がっているという落とし穴がありましたけどね…
しかしそれをカバーするかのように、ブレワイの時よりも防具を揃えなくてもメインストーリーを進められるようになっていました。
防具は寒さ耐性や暑さ耐性がついているものがあります。これらの耐性がついた防具がないと、寒い地域や暑い地域でその場に居るだけでダメージを受けてしまうためほぼ必須です。
ブレワイの時は頭・上・下の防具全部を揃えるか、うち2カ所を揃える必要があった記憶です。しかし、ティアキンではほぼ1カ所の防具を買えば大丈夫に!
防具はすごい高いので、ルピーの消費がだいぶ抑えられるようになったな~と思いました。
それでも金策は必要といえば必要ですが、ブレワイの時ほど金策せずにクリアできました
とはいえ、ティアキンにも一応不満点はある
ティアキンの不満点はこの辺りでしょうか。
- DIY要素がめんどうといえばめんどう
- アイテム欄のUI
ブレワイに比べたら色々良くなっているとは思ったのですが、ティアキンからの新要素の部分で不満を感じやすかったかも。
ティアキンの楽しみの一つであるDIY要素、これが楽しくもありめんどうでもありました。
ブループリントという機能を開放すれば、一度組み立てたことがあるものは登録しておいて呼び出せるのですが…私は使わなかったんですよねw全部一から組み立ててました。
登録したものを呼び出すほど汎用性が高いものを私が作れていなかったのもあると思うのですが、そもそも基本的には一から作らざるを得ない場面が多かったように感じます。
ゲームするときにDIY要素を楽しいと思えないプレーヤーにはキツそうだなと思ったよ
もう一つの不満点が、アイテム欄のUI(ユーザーインターフェース)。
自動で並べ替えられるので、自分がよく使うものを見つけやすい位置に持ってこれないのが不便でした。
弓にスクラビルドしたい時、使いたいアイテムによっては「あれはどこだ~」と横スクロールで探すのが大変。(アイテムを探している時はゲームプレイは一時中断されるので、バトル中でも慌てなくて大丈夫なんですけどね。)
フィールド操作中でも、セットで使いたいアイテムの位置が離れていたりしてめんどうでした。
自分で好きなように並べ替えることができたら楽だったかなと思います。
クリアまでにかかったプレイ時間
私がティアキンをクリアするまでにかかった時間は、80時間以上~100時間以下です。
- サブクエはやったりやらなかったりで、30%はやったかな?という程度
- 地下のマップはほぼストーリー上行く部分しか埋めていない
- 空も同上
あまり寄り道せずにメインストーリーを追うスタイルでも、80時間のボリュームです。。。
やりこんだらプレイ時間がとんでもないことになりますねw300時間は軽く越えるんじゃないかと思います。
ティアキンはどんな人におすすめのゲーム?
特にティアキンを隅から隅まで楽しみ尽くせるのは、下記のような人だと思いました!
- 一本道よりもオープンワールドのように自由度が高いゲームが好き
- ゲーム要素がたくさん詰まっているゲームが好き(RPG、アクション、アドベンチャーetc)
- 一つのゲームをコツコツと長期的に遊ぶことができる
- エルデンリング、フォースポークンなどのゲームが好き
- マイクラ、どうぶつの森などのゲームが好き
ブレワイの続編なので、当然ブレワイをおすすめできる人と同じタイプの人におすすめです。
完全に好みの問題ですが、どちらかといえば「好きにやって」と放り出される感じが好きな人向き。放り出されて自分で切り開いていき、マイクラのようにコツコツやり込める…的な。
でもティアキンはあまりやりこまずに、ストーリーを追うだけでも面白かったです(私がそう)。
ティアキンはゲーム要素が多いだけでなくバランスがいいので、「アクションばっかり!」「謎解きばっかり!」となりにくいのです。
ゆえに一部の要素が苦手でも短時間で終わる&なんならやらなくてもいいので、非常にストレスがたまりにくくかったです。
私のように主にストーリーを楽しみたいタイプの方もご安心ください。
キャラが魅力的ですし、ストーリーも感動的で泣いてしまいました…!特に前作のブレワイをやっていると、前作のキャラと再会できる喜びも一押しです。
もしまだ前作のブレワイをやったことがなければ、先にブレワイからやることをおすすめしますよ~!
ブレスオブザワイルドのレビューも書いていますので、良かったら参考にしてください。
ブレワイとティアキン、どちらか片方だけ遊ぼうかな?という方はティアキンとブレワイはどっちからやるべき?を参考にどうぞ。